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2025/02/05

仕事・暮らし・地域社会を活性化させる “ひろしまDX” を加速。広島県庁の共通基盤を Azure に移行

広島県は、多くの自治体に先駆けて 2019 年 7 月には DX (デジタルトランスフォーメーション) 推進本部を設置。「仕事・暮らし」「地域社会」「行政」の各分野において DX関連施策を全庁的な取組として推進してきました。また自治体の情報セキュリティ対策である「3 層の対策」についても、β´モデルを採用。マイナンバー利用事務系を除く業務システムをインターネット接続系に移行し、業務効率の改善を図ってきました。

広島県では早くから政府が推奨する「クラウド バイ デフォルト原則」に則ってインフラを整備。2024 年度に入ると県庁内のネットワークを再構築。Microsoft Azure を始めとするマルチクラウド環境へと、業務基盤の移行を開始しています。これは、ゼロトラストセキュリティの実践、および将来的なスマート自治体 / スマートシティの実現へとつながる大きな一歩となっています。

Azure の採用によって「独自には構築できない高度なセキュリティ」を獲得。 AI 活用や、スマート自治体の実現を支える、安全かつ効率的なデータ共有を可能にする基盤を実現しています。また、Azure OpenAI Service などの多様なサービスの活用深化による、コスト対効果の最大化も期待されています。

Hiroshima Prefectural Government

広島県の経済発展と社会課題の解決に貢献する DX を強力に推進

広島県では、AI / IoT / ロボティクス / ビッグデータの活用といったデジタル技術の潮流を 「県内の経済発展」と「人口減少・少子高齢化に伴う社会課題の解決」の双方を実現する好機として捉え、かなり早い段階から DX の推進に力を入れてきました。

具体的には、2019 年 7 月の段階で全庁横断の「DX推進本部」を設置。政府が唱える「Society5.0の実現を支える情報通信インフラの確保」や「スマート自治体 / スマートシティの実現」さらに「民間企業の DX 推進」まで、多種多様な取り組みが進められています。

さらに 2024 年 9 月には、「AIで未来を切り開く」ひろしま宣言を行い、県内企業の AI 活用の可能性を探る「ひろしまAIサンドボックス」、地域課題の解決と付加価値創出を目指して県庁内に設置した「広島AIラボ」、そして高校生を主役とした産官学連携による人材育成「ひろしまAI部」という 3 つの取り組みを開始しています。

こうした取り組みの一環として、広島県庁の業務システム基盤も着実に進化してきたと、総務局 情報戦略担当部長 成松 秀夫 氏は説明します。
「県庁内の情報セキュリティ対策である『3 層の対策』に関しても、総務省が提唱する “β´(ベータダッシュ)” に当初から移行しています。このモデルでは、従来 LGWAN 接続環境からしか利用できなかったシステムの大半をインターネット接続環境から利用できるようになっています」

そして、2024 年度には DX 推進や AI 活用を強力に後押しする「安全かつ柔軟なデータ活用」と、より強固な情報セキュリティである「ゼロトラストセキュリティの実現」に向けて、県のネットワークの再構築を実施。パブリッククラウドである Microsoft Azure などを採用し、共通基盤のクラウド化を進めています。

成松 秀夫 氏, 総務局 情報戦略担当部長, 広島県

マイクロソフトには、Windows などエンドユーザーに近いところでサポートを提供し続けてきた実績があります。その点において、ほかのクラウド ベンダーよりも密接なサポートの提供を期待しています。Azure だけを見ても非常に多くのサービスが揃っていますから、費用対効果を最大化するべく活用を深めるには、マイクロソフトのサポートが欠かせないでしょう。

成松 秀夫 氏, 総務局 情報戦略担当部長, 広島県

ライセンス管理の容易さ、オンプレとの混在環境構築のスムーズさ

総務局 デジタル基盤整備課 基盤戦略担当 参事 藤原 義也 氏は、Azure 採用までの経緯について、次のように説明します。

「今回の調達では、ガバメントクラウドに採用されているパブリック クラウドを優先して 調達仕様書を作成しました。もう 1 つのポイントは、県庁内の業務サーバーやデータベースなども混在活用できることが条件となっていました。そこで、実際に各部局のシステム管理を行っているベンダーの方々に意見を伺いながら、入札の要件を定めていきました」

こうして広島県では 2024 年 4 月に入札の公告を開始。6 月中旬に落札ベンダーを決定しています。この時、Azure をメイン プラットフォームとする提案を採用した主なポイントとして下記の 3 つのポイントを挙げています。

【Azure 採用の主なポイント】

  • 庁内に Windows サーバーが多く存在していた。そのため、オンプレミスとクラウドのハイブリッド構成を行う際に、Azure であればライセンスの管理が容易になるというベンダーからの提案があった。

  • 他のクラウドサービスに比較して、CPU やメモリ、ストレージなどの使用料を細かく管理することができるため、予算に応じた変更が可能である。

  • 落札ベンダーとマイクロソフトの連携を含め、サポート体制が整っている。

藤原 義也 氏, 総務局 デジタル基盤整備課 基盤戦略担当 参事, 広島県

情報系のシステム基盤が Azure に移行することで、テレワークも今までより安全かつ快適に行えるようになり、ユーザーのストレスも減るでしょう。さらに言えば、万一の災害発生時にも ノートPC とインターネット接続さえあれば、避難所の情報共有など、各種災害対応がスムーズに行えるようになるといった効果も期待できるでしょう。

藤原 義也 氏, 総務局 デジタル基盤整備課 基盤戦略担当 参事, 広島県

内製では獲得できない、高度な情報セキュリティ

そして、もう 1 つ重要な選定ポイントとなるのが「高度な情報セキュリティ」でした。広島県では要件定義の段階で Azure が ISO 規格 (国際標準規格) の ISO 27017、27018 などを取得していることも評価していました。

成松 氏はさらに「結果論になるかもしれませんが、Azure を採用することで強固なセキュリティを獲得することが可能」と説明します。

「パブリック クラウドを共通基盤の移行先として採用することには、広島県においてもいろいろな議論があったと思います。しかし、Azure は、情報セキュリティが非常に充実しているということです。機能が充実している上に、刻々と進化する脅威にもマイクロソフト側で対応し、アップデートが行われています。これだけ高度かつ先進的な情報セキュリティを自前で構築・運用することは不可能でしょう」

さらに、2024 年度からゼロトラストセキュリティへの移行を進めている広島県にとって、Azure を始めとするマイクロソフトのサービスおよびテクノロジーが、ゼロトラストのアプローチに対応していることもプラスに働いているといいます。

県のビッグデータ + 民間のビッグデータを安全に活用

Azure 活用によって、より強固な情報セキュリティを実現し、ビッグデータの安全性を高めることは、広島県の DX 推進や AI 活用にとって大きな意味を持ちます。成松 氏はその点について「クラウド化しなければ、真のビッグデータ活用は実現できない」と強調します。

「たとえば、県庁内のシステムに格納されたデータを統合して分析・活用することは、オンプレミスのままでも可能です。しかし、それは県庁内のデータ統合にすぎません。一方で共通基盤のクラウド化が実現していれば、外部のビッグデータを安全に分析・活用することまでが可能になります。実際、医療・福祉や小売・流通など、さまざまな業界のビッグデータをクラウドで提供しているベンダーも存在していますよね。広島県としては、このような外部データを適切に分析・活用できるように、共通基盤のクラウド化およびゼロトラストセキュリティの実践へと計画を進めているところです」

さらに成松 氏はクラウド活用の将来像にも言及します。

「今、広島県でもスマートシティの実現に向けた検討が行われています。県および市町村間のデータ連携基盤を構築することが不可欠ですが、これもオンプレミスでは実現が非常に難しい。行政として、価値のある新しいサービスを市民に提供する。あるいは親密な産官連携によって経済発展を促すには、政府が示しているクラウド バイ デフォルト原則に沿って、システムをクラウド化することが重要になります。」

「情報職」の育成を始めとする、日本マイクロソフトへの期待

こうしてさまざまな側面から Azure を評価し、活用を進めている広島県ですが、さらにもう 1 つ、マイクロソフトに期待することがあると言います。それが、「情報職」のスキルやナレッジを深めるための学習機会の提供です。

広島県では、2020 年度から IT における専門職の採用を行っており、すでに 5 期が経過しています。

“ひろしま DX” と総称される幅広い DX 推進活動や、「広島 AI ラボ」などの AI 活用の取り組みは、まさに県知事のリーダーシップによって示される “あるべき” 未来像と、確かなスキルを持ってプロジェクトに挑む「情報職」の存在が両輪となって進められていると言えるでしょう。事実、採用した情報職の人材を県庁に配属することは当然として、「DXShip(デジシップ)ひろしま」という取り組みを通じて、ハイレベルな情報人材を独自に採用することが難しい市町村に、システムアドミニストレータのレベルからシステム監査レベルまでの人材を「CDO補佐官」などの役職で配属するといった取り組みが実施されています (2025 年 1 月現在、15 市町村に配属)。

ベンダーとの窓口になって、本プロジェクトの現場を担っている、同 デジタル基盤整備課 基盤戦略担当 主事 吉田 聖司 氏は、こうした状況を踏まえて次のように話します。

「私たち『情報職』にとって、最新のスキルやナレッジを学習し、成長する機会を得ることはとても重要な意味を持ちます。今後、Azure などのマイクロソフト製品の活用を深化させていく上で、マイクロソフトから提供される有償・無償の資格試験や研修、トレーニングは大きな価値を持つでしょう。ぜひ、私たちにより多くの学習機会を与えてくれることをマイクロソフトには望みます」

吉田 聖司 氏, 総務局 デジタル基盤整備課 基盤戦略担当 主事, 広島県

私たち「情報職」にとって、新しいテクノロジーについて学習する機会は貴重です。マイクロソフトには、クラウドや AI 関連の資格取得プログラムやトレーニングなども揃っています。ぜひ私たちにも Azure や Copilot など、最新のテクノロジーを学ぶ機会を提供してもらいたいと思っています。

吉田 聖司 氏, 総務局 デジタル基盤整備課 基盤戦略担当 主事, 広島県

「ひろしまAIラボ」などにマイクロソフトの AI 技術活用も

広島県における Azure 活用は、まだ始まったばかりです。2025 年 1 月現在、外部向けのサーバーが仮想化されて Azure 上で稼働するなど、今回の更新対象のシステムの 3 分の 1 が移行を終えたところです。

しかし、今後確実にクラウド活用が進むことは間違いがないと、藤原 氏は言います。

「マイクロソフトの強みは、Office 製品を始めセキュリティおよびコンプライアンスから AI など、現在求められているテクノロジーが揃っていることが強みです。広島県としても今後の活用例として、ひろしま AI ラボにおいて、Azure OpenAI Service の API を活用して、蓄積されたデータの分析・活用を行えるようになるかもしません。現在、県内の企業と連携した『ひろしま AI サンドボックス』では、データ活用のガイドラインを明確に定め、“県の提供するデータを貯めない・学習させない” ということを徹底しています。しかし、将来的にはそうした制限を減らしていくことも重要になるでしょう。より安全に、より厳格に、AI に学習させるべきデータとそうではないデータとの区別を厳格にして、機密データなどが自動的に保護される環境を構築する必要もあるでしょう。そうした点においても、マイクロソフトのテクノロジーを活用できる可能性がある考えています」

成松 氏はさらに「AI 活用の難しさ」と、それに対する「サポートへの期待」について、次のように続けます。

「『本当に、このデータを AI に学習させてもいいんですか?』という不安や相談が多く聞こえたのです。かといって、AI に学習させるデータを過剰に制限したままでは結果を出すことも難しいでしょう。ある民間企業の製造工場では熟練工の技術やノウハウを、若く経験の浅い従業員が継承できるように、これまで蓄積してきたデータの分析・活用に AI を活用していました。これは AI 活用の好例だと感じましたが、データの分類や、システムの実装には苦労があるでしょう。その点、マイクロソフトは単に製品・サービスを提供するだけではなく、私たち顧客に近い視点からサポートを提供してきた実績のある企業だと思っています。Azure OpenAI や Copilot といった AI の提供に関しても、私たち顧客視点に立ったアドバイスやサポートが提供されることを期待しています」

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